kzhr's diary

ad ponendum

序(じよ)

君父(くんぷ)の讎(あだ)には(八)倶(とも)に(尓)天(てん)を戴(いたヾ)か(可)ず(春゛)と忠臣(ちうしん)孝子(かうし)の親(おや)の讐(だ)を討(う)つ復讐(ふくしう)美談(びだん)は(八)夥多(あまた)あれども一代(いちだい)に(尓)三回(みたび)復讐(ふくしう)の本懷(ほんくわい)を遂(とげ)し赤穂(あかほ)義士(ぎし)の一人(いちにん)なる堀部(ほりべ)安兵衛(やす(春)べゑ)金康(かねやす(春))は(八)先(さき)には(八)叔父(おぢ)の仇(あだ)を即時(そくじ)に(尓)討(うち)取(と)り後(のち)に(尓)は君(きみ)の讐(あだ)を同志(どうし)と共に(尓)報(むく)ひしのみならず(春゛)其(その)名(な)も高田(たかだ)の馬場(ばヾ)に於(おい)て孝(かう)子寺田藤十郎(とうじふらう)を助(たす)けて本望(ほんまう)を遂(と)げさせし其(その)義勇(ぎゆ(由)う)の顛末(てんまつ)を這徊(こたび)永昌堂(えいしやうだう)主人(しゆじん)が發兌(はつだ)して數萬(すまん)の観客(かんかく)に(尓)喝采(やんや)の好評(こうへ)を得(え)て勝(かち)どき揚(あぐ)る幸先(さいさき)を梓(あづさ)に壽(じゆ(由))して茲(こヽ)に叙(じよ)す(春)(一字不詳、或は汚れか)明治十八年  竹葉舍晋升述
(題『敵討高田馬場』、述竹葉舍晋升、發行中村芳松、印刷大垣彌太郎、發賣競爭屋鍾美堂、1893年1月、大阪)

かういふ方法もありなわけだ(なんのこつちや)。

上の本は、國立國會圖書館に藏書が見える、『今古實録敵討高田馬場』(編輯人不詳、1892年、東京)とほぼ同じ内容で、上掲書はこれの大阪版と思はれるが、序は大阪版のみに見られるものである。裝丁はhttp://pcc.karpan.net/diary/200508261828.html#d200508261828參照。