kzhr's diary

ad ponendum

正字正かなでの組版について

Mac OS Xに搭載されたヒラギノAdobe-Japan1-5)であれば、正字かなでの組版は、ほぼ正しく置き換れば濟む話だが、さうでない場合(1-4だとどれくらゐだつたか)、いろいろ目をつぶつて、「半」正字運用となる。正字などの外字が這入つてゐるフォントであれば、MS明朝でなければモリサワリュウミン用の某外字フォントが大體の目安で、そこのデータを呼び出してでも使ふか、使はぬかの判斷が必要で、使ふ場合、あのいろいろ混つた中から必要な正字を拾ふ作業の、面倒のなんのを潛り拔ける根氣と度胸が要つて、「初心者にはお勸めできない」ものだが(當然FEPで出來るだらうなどといふ期待はできない)、JIS X 0208内であれば、變換ツールで一發、「余」(一人稱)を「餘」(餘る)などとする莫迦をやらかさなければ問題はない(外字を使ふ場合も、この作業は必要である)。ただ、變換ツールでは選考を銓衡にするなどの變換ができないものも多く(といふか私の使ふツールができないだけだが)、智識量の勝負となつて、プロの校正者編輯者も把握してゐないのを、さういふのになれない人間がどこまでできるかといふのは、實際にOOo組版をして苦勞した人間としては、氣になる。

校正者が正字を把握してゐない例として、よく言はれる*1のは、「當用・常用漢字」體系に變換してゐる文章で、「著物」としておいて澄ましてゐるやつとか。たまにお目にかかる。

*1:かどうかはよくわかんないけれども