kzhr's diary

ad ponendum

入門書?

初心者による初心者のための言語学の本 - 鰤端末鉄野菜 Brittys Wakeを讀みながら、かう來たか、と思ったんでした。個別言語學は除くと仰ってるので、これに對抗できるほど讀書量がないわたしとしては、雜多な感想を書くしかない、と思って書きました。

個人的な印象としては、Brittyさんがご紹介された黒田氏の著書*1のやうな、よみやすいものは言語學系ではあまりないのではないかと思ふのです。たとへば、町田健編の言語學概説シリーズ*2は初學者を意識してゐるやうだけれど、讀んだことがないのでわからない*3。量も多いし。

ただ、黒田氏の紹介なさった言語學諸研究は、なんとなく最近出てきた魅力的なものを補へない氣がする。まあ、生成文法も認知言語學も最適性理論も新グライス學派も一册で學べる本が、讀みやすいかといふとそれはあるまいと思ふのですが*4

そもそも、わたくしのならんだ講筵の席で、言語學概説を講じられた先生がたは、あまり入門書といふのを教へてくださらなかったのだけれど、世の言語學を專門とする學生は、どんな書をかたてにこの世界に參與してくるんでせうかねえ。氣になるかぎり。

*1:はじめての言語学 (講談社現代新書)

*2:日本語学のしくみ (シリーズ・日本語のしくみを探る)

*3:しかも日本語學だな、いま氣づいたけど。

*4:一書で讀みたいといふのであれば、現代言語学の潮流ははばひろいので至便です。が、みなさん、紙幅がせますぎたのかなといふ感じです。