kzhr's diary

ad ponendum

本が出ます(4)

kzhr.hatenadiary.jp
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の続きです。

この本では、イントロダクションを長めに書きました。たんに先行研究を述べただけではなく、日本語学者や言語学者が明治時代の文字・表記を知るうえで、どういうことを知っておいてほしいかということを考えたものです。それがどれだけ実現できたかは分りませんが、自身の研究を日本語や世界の文字・表記史のなかでどう位置づけるか見直すいい機会にもなったと思っていますし、専門書を市販する意義もそのような学界のレベル引き上げにあるのではないでしょうか。その点、日本語学界の専門書刊行スタイルは、自著を理解されることを拒むようなものも多く、なににお金を払わせているのか不明なものが多かったのではないかと思います。それをストイックさとかつては呼んでいたことは知らないでもないのですが(https://bibdb.ninjal.ac.jp/SJL/view.php?h_id=1480750810の書評対象など)。多分野の専門家に宛てた内容の弱さは、学界の趨勢にも影響のあることと思うので、論文ではなく本の形にするならば、自身の研究へ一直線といったようなことは止めてほしいと思っています。